「はぁーい、お待たせ! ソニア特製『ラフレシアンサンデー』よ」
ああ……この世の終わりです。
結局コック達ではソニア様を止めることは出来ないのですね……。
「お、おばさま……。それって、ホンモノ?」
おやめください陛下!
聞きたくありません!
「あら、嘘だと思って? もっちろん本物よ」
「そんなぁ――!?」
やっぱりそうなんですね。
……ソニア様は旅先で手に入れた珍しい物を使った料理を振舞うことがお好きなのですが、正直言って外見のみならず味も最悪なものしか作れません。
しかも、味見をしてコレです。
「どんどん食べてね! 私はメイド達に配ってくるわ〜」
犠牲者は何人にのぼるのでしょうか?
医者の手配は済ませましたが、もっと必要かもしれません……。
「だ、ダイジョーブよ! きょねんの『シンカイギョフルコース』にくらべたらすくないし……」
思い出したくもない記憶です、それは。
アレのせいで一週間まともに動けなかったんですから。
「陛下、無理なさらず。なんでしたら自分が――」
「いっただきまーす!!」
へ、陛下……!
イオリ殿に苦労をかけまいと、一口で飲み込まれるなんて!
「――あ、ムリだわ」
バタンッ!
「「へいかぁああ!!?」」
陛下は二週間、病院のベットの上で執務をすることとなりました……。